2017.09.15
触ってみないとわからない「HAPTIC DESIGN」の代表的な事例を3つの切り口で紹介します。
こんにちは、Haptic Design Award事務局です。今年のHaptic Design Awardでは、YouFab Global Creative Awards の特別賞として「HAPTIC DESIGN賞」を設けています。「触れるデザイン」と聞いて、興味はあるけれど、どういう作品がつくれるのだろう?と思っている方に向けて、この記事では「HAPTIC DESIGN」の例を3つの切り口で紹介します。
シンプルでわかりやすい事例から応用例まで、チェックしてみて、HAPTIC DESIGN 賞の応募のためのヒントに活用しましょう!
Click here for English version.
>> Welcome to the world of HAPTIC DESIGN!
HAPTIC DESIGNのもっともシンプルでわかりやすい事例は、触感を通じた気持ちよさのデザインです。
例えば、2016年にクラウドファンディングのKickstarterで、世界中の注目を集めたFidget Cubeは、手持ち無沙汰や不安などの心理的ストレスを解消するガジェット。
キューブのそれぞれの面には、ユーザーが押したり、回せたり、転がせたり、ただただ触って気持ちがいい機能がついています。
このシンプルなハプティックデザインプロダクトは、$6,465,690もの資金を調達しました。
ほかにも、気持ち良さを増幅させるHAPTIC DESIGN事例としては、文字や絵を書くときにででる筆記音を増大させ、書くことが楽しくなる「Write More」があげられます。
爆発的ヒット中のハンドスピナーも、触感の気持ちよさがヒットの要因といえます。触れるデザインは、人とモノゴトの気持ち良さを増幅させ、くせにさせる力がありますね。
身体性を伴うハプティックデザインにはモノゴトに実感を与える力があり、手応えが薄く、実感を得にくい課題を解消したり、人々に感動を与えるデザインが可能です。
例えば、髪の毛で音を感じるデバイス「Ontenna」は、自己と世界をつなぐインターフェイスとなり、音のある世界をろう者に実感させる「HAPTIC DESIGN」を体現しています。
Ontennaの開発者である、富士通株式会社の本多達也さんが Haptic Design Meetupに登壇された際のイベントレポートはこちら。
開発の経緯も語られています。
>>【記事】本多達也(富士通/Ontenna)「髪の毛で音を感じる」。 その一見不思議なアイデアが、ろう者の生活を一変させる
ほかにも、実感を与えるHAPTIC DESIGN事例としては、あたかも映像に触れている感覚で、新たなMV鑑賞の体験をデザインした安室奈美恵のMV「Golden Touch」があげられます。
人に抱きしめられると安心したり、握手をすると信頼感が増すように、触覚にはコミュニケーションを通じて、新たな感情をもたらす可能性も秘めています。
さらには、言語のかわりに、感情を伝えるツールにもなり得る可能性もあります。その実験的作品として、触覚だけでコミュニケーションをする電話「超未来式体感型公衆電話」という作品をご紹介します。
ほかにも、奏でた音を振動に変換し、楽器演奏によって他者とのコミュニケーションを楽しむインスタレーション「Vibracion Cajon」も情感や共感でつながるHAPTIC DESIGN事例といえるでしょう。
HAPTIC DESIGNの輪郭とそのデザインによる広がりを感じていただけたでしょうか?
HAPTIC DESIGN AWARDでは、震える!楽しい!にとどまらないハプティックデザインの作品に期待しています。